学校に戻ったときには、もう夕方。 先生にバレないように学校に入ると、 屋上に向かう。 もうそこには誰もいなかった。 肩で息をしながら、また走ると、今日の場所を思い出す。 その空き教室から、ピアノの音がした。 「…先輩」 ガラッと開けると、驚いてこっちを見る先輩がいた。 「馬鹿……です。本当に」 先輩の元まで近づくと、そっと抱きしめる。 「離れないで下さいよ……」 「かすみちゃん…?」 「あたし…先輩の浮気相手でいいから…付き合ってください」