ビリヤードは好きだ。
球が動く軌跡を計算しながら、必要な角度で、十分な力をキューで加える。
それで、大体思ったとおりに球は、動いてくれる……のだが。
どんなに計算しつくしても。
思い切りが足りなかったり、僅かなブレで、球は、とんでもない所へ飛んでゆく。
そして。
そんな、何度もぶつかっては、めまぐるしく変わる、運動エネルギーを制御するのが、好きだ。
「運動方程式だの……難しいことは、俺でも判らないけどな。
音雪が、ビリャードも上手い、って言うことだけは、判った」
手前の球を飛び越した球を、隅のポケットに一発で入れて見せると、薫は、手を叩きながら言った。
「……それにしても、判らないな。
音雪」
「何が?」
「まあ、ここはビリヤード場とはいえ、一応バーだから。
未成年のお前は、こっそり入らなくちゃいけないんだろうが……
ビリヤードがそんなにしたけりゃ。
バッティングセンターや、ゲームセンターの横にあるビリヤード場で。
フツーに、勝手に出来るだろう?
わざわざ、親の目を盗んでまで、来なくてはいけない場所じゃない
ちょっと、そこまで行って来る、で済む」
球が動く軌跡を計算しながら、必要な角度で、十分な力をキューで加える。
それで、大体思ったとおりに球は、動いてくれる……のだが。
どんなに計算しつくしても。
思い切りが足りなかったり、僅かなブレで、球は、とんでもない所へ飛んでゆく。
そして。
そんな、何度もぶつかっては、めまぐるしく変わる、運動エネルギーを制御するのが、好きだ。
「運動方程式だの……難しいことは、俺でも判らないけどな。
音雪が、ビリャードも上手い、って言うことだけは、判った」
手前の球を飛び越した球を、隅のポケットに一発で入れて見せると、薫は、手を叩きながら言った。
「……それにしても、判らないな。
音雪」
「何が?」
「まあ、ここはビリヤード場とはいえ、一応バーだから。
未成年のお前は、こっそり入らなくちゃいけないんだろうが……
ビリヤードがそんなにしたけりゃ。
バッティングセンターや、ゲームセンターの横にあるビリヤード場で。
フツーに、勝手に出来るだろう?
わざわざ、親の目を盗んでまで、来なくてはいけない場所じゃない
ちょっと、そこまで行って来る、で済む」