「値段? そうね、お値段は聞いていないけど、とっても良いものよ」
お袋はそう言うと、宝石箱を2つとも開けて、指輪やペンダントを幾つか取り出した。
「見てみて? 大きさも違うけど、色や輝きがやっぱり違うでしょう?」
言われて比べてみると、確かに違う。
「……なんか、こっちは黄色っぽい?」
「そうそう。黄色がかってるものは婚約指輪には向かないの。無色に近い方が良いものよ。……と言っても、並べて比べなきゃ分からないけどね」
なるほど、と並べてある内、黄色っぽく感じた方だけ手に取った。
その1つだけを見ている分には、黄色っぽいかどうかなんてまるで分からなかった。
「大きさは?」
「大きければ大きいほど良いって風潮もあるのだけど、ある程度のサイズになれば、それ以上は必要ないわ。指輪だもの。
……そうね、やっぱり、1カラットはあると良いかなと思うのだけど、陽菜ちゃん華奢だから、大きすぎないかは気になるわね」
「1カラットって?」
「重さよ。重ければ重いほど大きくなるから、簡単に言うと大きさみたいなもの。
これが1カラット、こっちのペンダントは2カラットあるわよ」
お袋が新たに取り出して見せてくれたペンダントのダイヤは、確かに指輪と比べるとかなりデカかった。
婚約指輪と比べると、これも少しだけ黄色みがかってる気がしないでもないけど、サイズの迫力もあり、キラキラと輝いてまばゆいくらいだ。
けど、これが指に乗っかるとしたら?
「……さすがに、でかすぎだって」
「あら、胸に一粒なら、これくらいでも綺麗よ?」
お袋がオレの手からペンダントを取って、胸元に当ててみせる。
「オレが買いたいの、指輪なんだけど」
「分かってるわよ」
オレの言葉に、お袋はクスクスと笑った。



