なんか、とんでもなく立派な指輪が出てきそうだけど、何もなしに手探りで探すより良い気がする。
「待っててね」
お袋は楽しげにリビングを出て行き、数分後、宝石箱を2つ持って戻ってきた。
どちらの宝石箱も、とても指輪が1個しか入っていないとは思えないサイズ。
「……婚約指輪、そんなにたくさんもらったの?」
と聞くと、お袋は吹き出した。
「そんな訳、ないじゃないの!」
「だよねー?」
クスクスと笑いながら、お袋は1つめの宝石箱を開けて指輪を1つ取り出した。
「これが婚約指輪」
プラチナ台に大きなダイヤが一粒。リングの周りには小さなダイヤがぐるっと連なっている。
「あ、これ、見たことある」
「参観日とかには着けていたものね」
お袋は懐かしそうに目を細めた。
そう言えば、小学生の頃、キラキラした指輪が面白くて、コッソリ持ち出して着けて遊んで、ムチャクチャ怒られたような気がする。
「はい」
と、手渡されて受け取ると、ずしりとした重みが伝わってきた。
「……意外と重い?」
「そうよー。婚約指輪ってダイヤが大きいからか、台もしっかりしてるのよね。重量感あるわよ」
「へえ~。なんか、すごいキラキラして綺麗だね」
「うふふ。これがクオリティの違いよ」
「……やっぱ、高いの?」



