14年目の永遠の誓い


「ねえ、相談に乗ってくれる?」



夕食後、親父がいないその日を選んで、リビングでテレビを見ていたお袋に声をかけた。



「珍しいわね。もちろん良いわよ」



お袋はニュース番組を消すと、オレの方を向いた。
まだ何も言っていないのに、心なしか嬉しそうだ。

向かいのソファに腰掛けながら、早速話をスタート。



「あのさ、婚約指輪って、どんなものを買えば良いの?」

「陽菜ちゃんに?」

「ハル以外の誰にあげるの」



と言うと、お袋は



「聞いてみただけじゃない」



と笑った。



「プラチナ台に大粒ダイヤモンドの指輪が普通だけど、今時はゴールドのこともあるわよ」

「なるほど」



アクセサリーについては、まったく分からない訳でもない。
今までにも何度か誕生日やクリスマスに、ハルへ贈ってきたから、最低限の地金や宝石の知識くらいはある。



「ダイヤの指輪だったら、どんなのでも良いの?」



オレがそう聞くと、お袋は笑った。



「そういうわけにはいかないわ。婚約指輪に使われるダイヤモンドは普通、特別に良いグレードのものよ」

「グレード?」

「そう。4Cって言うんだけど、Carat、Cut、Color、Clarity。つまり、重さ、輝き、色、透明度。婚約指輪なら、この4つが高いものを選ぶのよ」

「へえ~」

「見てみる?」

「何を?」

「あなたたちのお父様がわたしに買ってくれた指輪」

「見たい!」