「………………なんで?」
長い沈黙の後、つぶやくようにそう言ったハル。
その言葉から、突然のプロポーズにハルが戸惑っているのが痛いほど感じられた。
「ハル、オレ……」
オレがハルの言葉に応えようとした、その瞬間、ハルの顔からスーッと血の気が引いた。
ハルは苦しそうに目をつむり、左手を胸元に、右手を口元に当てた。
「ハル!?」
オレは慌てて立ち上がり、今にも崩れ落ちそうなハルの身体を支えた。
手に触れたハルの肌は驚くほどに冷たくて、オレの心臓はドキンと跳ね上がった。
貧血? それとも不整脈!?
「ハル!?」
慌てて、オレはハルの背をさする。
さっきまで笑顔で話していたのに、今は、息をするのも苦しそうに、ハルの肩は大きく上下する。
医者!
そう思って、慌てておばさんの方に視線を向けると、目が合った。
「陽菜!?」
ついさっきまで、にやにやと面白そうに見ていたおばさんは我に返って椅子を蹴って立ち上がった。
同じく、少し前まで笑顔で見守ってくれていたじいちゃんも駆け寄って来た。
☆ ☆ ☆
ハルはそのまま自室に戻り、気持ちが悪いと戻し、その上熱を出し……、
オレが次にハルに会えたのは、翌朝だった。
ハルはまだ熱が下がらず、苦しげに荒い息をする。
顔色も悪く、かなり調子が悪そうだった。
オレは、昨日の続き……プロポーズに関する事は、今日は話さないでおこうと決めた。
ハルが手放しで喜んでいてくれるのなら、話しても良いのだろうけど、そうでない可能性も考えなきゃいけなさそうな気配。
なら、ハルの容態が落ち着いてから改めて、と思ったのだ。
なのに、ハルはだるそうにしながらも、ベッドの上で身体を起こして、オレに言った。



