残ったオレの両親は、難なく陥落。
親父はオレが牧村姓を選ぶというのだけ気にしていたが、最終的に許してくれた。
「ここで反対しても、親の許可がいらない年齢になったら、さっさと籍入れるんだろうしな。
まあ、姓が変わっても親子というには変わりないだろう」
快く許してくれた裏に、おじさんと親父が本格的に事業提携を考え始めている事実があるのも、実は知っていた。
お袋はため息を吐いた。
「晃太より先にだろうとは思っていたけど、まさか高校生の間に結婚までするとは思ってもみなかったわ」
後から兄貴に言われた。
オレが絶対にハル以外を選ばないというのは、親父もお袋も分かっている。
だから、ここで反対しても、この先、どんなに妨害しても、ただ単にオレが生涯独り身でいるだけになるのは、火を見るより明らか。
結果が分かりきっているなら、息子が幸せになれる道を応援しよう……ということだったらしい。
「親心に感謝しろよ」
本当だ。足を向けて眠れないよ。
すべての準備が整ったのは2月の始めだった。
もうこれで、誰も反対しない。
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