追い打ちかけて、ごめんね。
そう思いつつ、オレは続けて、ハルが夜間、おじさんやおばさんを気遣って、一人で苦痛に耐えていると続ける。
オレがハルと一緒のベッドで寝ているのを見つかった土曜日、あれは6月だった。
おじさんは、その時のことをしっかり覚えている。
ハルがしばしば誰も呼ばずに我慢していたらしいと言うのも、おばさんから聞いていたらしい。
「……夜、部屋を覗きに行くようにしたんだけどな、どうも起こしてしまうようで」
おじさんはため息を吐く。
2回に1回は、ドアの開く気配でハルが目を覚ましてしまうと言う。一人で具合を悪くしていやしないか、ちょっと確認したいだけで、睡眠の邪魔をしたい訳ではないのに。
「だから、おじさん、」
「いや、ダメだ。確かに、きみと結婚すれば、どちらも解決するだろうな。
だけど、何の力もない高校生になぜ可愛い娘を渡せる?」
おじさんはオレをギロリとにらんだ。
おじさんには逆効果かも知れない。
そう思いつつ、オレはじいちゃんにも見せたレポートを取り出した。
それを見たおじさんは、更に難しい顔になった。
「………………努力は認めよう。陽菜への愛も本物だろう」
おじさんは絞り出すように、そう言った。
それから、数秒視線を宙に彷徨わせた後、突然、バンッと応接テーブルを手のひらで叩いて立ち上がった。
「だからって!! 可愛い娘をそう簡単に手放せないんだよっ!! 理屈じゃない!!」



