次は最大の難関、おじさんだ。
同じく、ハルが寝た後に訪ねて、ハルが起きてきやしないかドキドキしながらリビングで話をした。
「おじさん、ハルを嫁に下さい」
オレは立ち上がって、きっちり90度腰を折ると、おじさんに願い請う。
「……叶太くん、寝言は寝てから言いなさい」
追い出されないだけマシだったかと思わされる冷ややかな声。
いつもの気の良いおじさんは、そこにはいなかった。
だけど、オレは負けないんだ。
おじさんが、ハルには見せない厳しい顔を持っているのだって知っている。
親父だって同じだ。長く一緒にいれば、家族には見せないだろう、そういう面だって目にすることはある。
実業家、経営者、トップエグゼクティブ、色んな言い方はあるけど、そう呼ばれるような人たちは、優しいだけでは乗りこなせない荒海を渡れるだけの厳しさを持っている。
分かっているから、怖くなんてない。
オレとおじさんの利害は、最終的に一致しているはずだから、心配なんてしていない。
ハルの幸せ。
結局、それだろう?
「話だけでも……聞いてくれる?」
おじさんは厳しい顔で沈黙。
「ハルの話だから」
そう言うと、眉をひそめ、それでも「話せ」と許可をくれた。
オレが一緒にいたいとか、そういうのはどうでも良い。
オレはここでも、明兄、じいちゃんに話したのと同じように、ハルの話をする。
「……週の半分以上、一人で夕食、か」
自分にも原因がある話。
おじさんは更に厳しい顔をした。



