最初に向かったのは、一番味方になってくれそうなじいちゃんのところ。
「じいちゃん、オレ、ハルと結婚したい」
1月、雪が降りしきる中訪れたのは、じいちゃんちの応接室。
ハルは先週退院して、自宅療養中。
とはいえ、隣のじいちゃんちにはいつ来るか分からないから、念のために、訪問は夜中にした。
「こんな時間に何かと思ったら、何を今更」
オレの台詞を聞いて、じいちゃんは、愉しげに笑った。
いけるっ!
じいちゃんは、オレがハルと結婚するのを当然だと思っている。
けど、続く
「今度のハルの誕生日にプロポーズして婚約、8月のオレの誕生日に入籍って思ってるんだけど」
という言葉を聞いて、じいちゃんの動きがぴたりと止まった。
……あれ?
「カナくん、結婚自体は反対しない。……が、それはいくら何でも早すぎやしないか?」
じいちゃんは、まるで悪さをした小学生を諭すように、真顔で言った。
だけど、これは想定内の反応だ。
オレは慌てず、何故こんな早くに結婚という形にしたのか、明兄に話したのと同じことを話す。
ハルが週の半分以上を一人で食事していること、夜間具合が悪くても誰にも言わずに我慢していること。
オレの話を聞いたじいちゃんは、苦悶の表情を浮かべた。
じいちゃんは、ハルにとことん甘い。じいちゃんの優しさにつけ込んでいる自覚はある。



