夕飯の時間、大広間に行くと、志穂と斎藤は既に席に着いていた。
「叶太くん、陽菜は?」
「牧村、大丈夫だった?」
2人同時に聞かれ、なんと答えれば良いか一瞬迷う。
「熱出ちゃって、今、寝てる」
ウソじゃない。
ただ、実際にはただ熱を出しただけとは言えない状況。
「そっか。心配だね」
思えば、昨日もハルはバスに酔った後、そのまま夕食会場には来なかった。
2人はそこまで深刻だとも思っていないようだ。
正直、その方がありがたい。
「早く下がると良いんだけど」
「後で会えるかな?」
「んー、どうだろ。里実さんに聞いてみる?」
本当に調子が悪い時、ハルは見舞いを断る。
そこまで弱っている姿を見せたくないのだと思う。
ハルはしょっちゅう具合を悪くしているけど、入院中はそういうレベルではない体調不良も多い。
そんなハルに会えるのは、多分、家族以外にはオレだけ。
と言うか、きっと、そんな状態のハルと一番長くいるのはオレに違いない。
だからか、ハルはオレにはあまり体調不良を隠さない。
「ところで、あの後、どうだった?」
見るからに豪華なお膳なのに、まるで味のしない夕食に箸を付けながら、明るく聞くと、楽しげな返事が返ってきた。
「あれから、りっちゃんの班に会ってさ、そっから合流して6人で回ったよ」
「いやー、寺本、ひどいんだぜ、オレとツーショットは微妙だから、一緒に回ろうよ……とか」
「ひどっ」



