14年目の永遠の誓い



旅館の車寄せ前では里実さんと養護の先生が待ち構えていた。



「陽菜ちゃん、大丈夫!?」



ほんの15分ほどの乗車で、ハルの具合はすっかり悪くなっていた。
里実さんと養護の先生がオレたちの荷物を手分けして持ち、オレは代金を払い、ぐったりしたハルを抱きかかえた。

ハルの顔をのぞき込む里実さんに伝える。



「疲れてしんどいところに、車酔い」



……今のところは。



「車で2回戻した」

「了解。……とにかく、部屋に行きましょうか」



里実さんは、部屋でハルを寝かせて、酸素濃度計をハルの指に付けると難しい顔をした。



「陽菜ちゃん、酸素吸入しようね」



ハルが潤んだ目を開け、小さく頷く。

呼吸が荒い。

オレの手を離したがらないから、オレは里実さんを手伝うこともなく、ハルの手を握る。



「……つも、……めん、ね」



……いつも、ごめんね。

ハル、オレにそんな気、使うなよ。

一番しんどいのも、離脱で悔しいのもハルだろ?

オレはハルの頭をそっとなでた。



「オレはハルの側にいられるのが、一番の幸せだよ?」

「……ん」



ハルは酸素を吸っているのに荒い呼吸のまま、しばらくオレの手を握っていたけど、やがて、その手がふっと脱力した。

里実さんは眠ってしまったハルの心電図を取ると、また難しい顔をした。



「里実さん、ハル、大丈夫?」

「……ちょっと、微妙な感じ。不整脈が出てる。後、熱が出るかも」



その後、本当にハルは熱を出した。少しずつ上がり、39度を超えたところで、里実さんはじいちゃんに電話をかけた。

夜、最終の飛行機で裕也さんが駆けつけると言う。



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