14年目の永遠の誓い


ハルは数秒オレの目を見て、オレの手を握った。
それから、少しの間の後、コクリと頷いた。

こんなところで帰りたくないだろうに、だけど、わがままも言わず、文句も言わず、愚痴ひとつ言わないハル。

本当は、我慢しないでも良い……と言ってあげたい。けど言えない。限界が近いのが分かるから。

オレはハルをぎゅっと抱きしめ、それから、待ってた2人に手を振る。



「ごめん。オレたち、先に旅館に戻るから、後は2人でまわってもらえる?」



その一言で、すぐに事態を悟り、2人が駆け戻ってくる。



「陽菜、大丈夫!?」

「悪い。歩くの速すぎた!?」

「大丈夫。……念のために、ね? でも、こんなところでごめんね」



ハルは申し訳なさそうに2人に言う。



「ううん。わたしたちは良いんだけど。旅館まで送ろうか?」

「カナがいるから大丈夫」



ハルは優しくほほ笑んで、同行を拒絶する。
もし、ここに里実さんがいたなら、オレまでもが「観光してきて」って言われた気がする。



志穂は名残惜しそうな顔で、



「じゃあ、駅まで」



と言うけど、路面電車はもう十分楽しんだから、後は最速で戻りたい。



「そこらで、タクシー拾うから」

「えーと、じゃあ、タクシーまで!」



何が何でも見送りたい志穂に苦笑しつつ、それで気がすむならと一緒に広い通りに向かう。

タクシーを拾って旅館名を告げ、ハルを先に乗せる。



「じゃあ、また後で! 集合時間に遅れるなよ」

「はいはい。……陽菜、ゆっくり休んでね」

「牧村、後でな」

「うん。本当にごめんね」

「気にしない気にしない」

「閉めますね」



運転手さんの声でドアが閉まり、タクシーは動き出した。



   ☆   ☆   ☆