14年目の永遠の誓い

昼食はせっかくの中華だからとアラカルト。
所狭しと並ぶ料理の中から、ハルは点心2個とスープを少し。そんなささやかな食事だけで大量の薬を飲む。



「牧村、それだけで足りる? ……オレ、食べた量より薬の量の方が多い気がするんだけど」



斎藤が気遣わしげに言った。



「杏仁豆腐とか取ったら?」



と志穂も勧めるけど、ハルは、



「もうお腹いっぱい」



と、ほほ笑んだ。

顔色が良くない気がする。

やっと半日が終わったところで、自由行動の時間はまだまだ残っている。

だけど、移動して観光しての繰り返し、昨日もバスで歩けなくなるくらいに酔って戻しているし、元気そうに見えるけど、ハルはきっとかなり疲れている。



「ハル、帰ろうか?」



思わず言ったけど、



「え? なんで?」



と聞き返されてしまった。



「疲れてない?」

「……疲れたけど、大丈夫」



笑顔で言われると、目に見えて不調じゃない今、それ以上は言えなかった。



だけど、次の観光地に向かって歩き出すと、歩く速度がいつも以上に遅い。

呼吸も乱れはじめていた。

既に前を歩く2人とは数メートル近く差が開いていた。オレは駆け寄り、2人の肩を叩いて止めると、一言。



「ちょっとごめん、そこで待ってて」



駆け戻って、ハルに言う。



「ハル、……今日は帰ろう?」



オレを見上げたハルの顔色はさっきよりずっと悪くなっている。
店を出てから、ほんの5分ほどしか経っていないのに……。



これ以上歩かない方が良い。