うちの高校の校舎は古くてエレベータが設置されていない。
1年生の教室は3階にあり、去年1年間、ハルは毎朝、毎夕、途中で何度か休みつつ、その階段を上り下りしていた。
3階分を一気に上がりきれず、途中で休むハルの姿は、割と良く目撃されていた。
「あ、階段はオレがおぶってくから大丈夫」
「え?」
3階だろうが2階だろうが、ハルの具合が悪い時には、オレが保健室まで抱いて運んでいる。
今日もお姫様抱っこでもかまわないけど、それも微妙かなと思って、おんぶを提案。
はなから、こんなキツイ階段をハルに上らせる気はない。
学校でだって、毎日オレが抱いて上りたいくらいだけど、ハルが嫌がるからしないだけだ。
「でも、ゆっくりなら、自分で上れるよ?」
ハルは驚いたようにオレを見上げて言う。
けど、オレが日々身体を鍛えてるのは、こんな時のためと言っても良いくらいだ。
この腕力を今使わなくて、いつ使う?
「まだ最初の観光地だろ? 体力温存しとけよ」
「路面電車も、人力車も乗ったし……」
「ハルー、それも確かに観光名物だけど、移動手段でしょ?」
ってか、それも観光として、ここで階段登って、バテて観光終了って選択肢はないと思う。
恥ずかしさと申し訳なさから、遠慮しようとするハル。
それを見て、和樹がハルの耳元に小声で一言。
「ありがとう、大好き、ちゅっ……で、叶太はここ10往復でも軽くすると思うよ」
その言葉に真っ赤になったハル。
うん、確かに、おんぶした背中ごしにハルがそんなことしてくれたなら、どこまででも行ける気がする。
……つーか、和樹、ハルに近寄りすぎだっつーの。
オレの剣呑な表情を見て、和樹はクスクス笑いながらハルから離れ、手を振った。
「じゃ、また宿で!」
「ああ、夜にな!」
1年生の教室は3階にあり、去年1年間、ハルは毎朝、毎夕、途中で何度か休みつつ、その階段を上り下りしていた。
3階分を一気に上がりきれず、途中で休むハルの姿は、割と良く目撃されていた。
「あ、階段はオレがおぶってくから大丈夫」
「え?」
3階だろうが2階だろうが、ハルの具合が悪い時には、オレが保健室まで抱いて運んでいる。
今日もお姫様抱っこでもかまわないけど、それも微妙かなと思って、おんぶを提案。
はなから、こんなキツイ階段をハルに上らせる気はない。
学校でだって、毎日オレが抱いて上りたいくらいだけど、ハルが嫌がるからしないだけだ。
「でも、ゆっくりなら、自分で上れるよ?」
ハルは驚いたようにオレを見上げて言う。
けど、オレが日々身体を鍛えてるのは、こんな時のためと言っても良いくらいだ。
この腕力を今使わなくて、いつ使う?
「まだ最初の観光地だろ? 体力温存しとけよ」
「路面電車も、人力車も乗ったし……」
「ハルー、それも確かに観光名物だけど、移動手段でしょ?」
ってか、それも観光として、ここで階段登って、バテて観光終了って選択肢はないと思う。
恥ずかしさと申し訳なさから、遠慮しようとするハル。
それを見て、和樹がハルの耳元に小声で一言。
「ありがとう、大好き、ちゅっ……で、叶太はここ10往復でも軽くすると思うよ」
その言葉に真っ赤になったハル。
うん、確かに、おんぶした背中ごしにハルがそんなことしてくれたなら、どこまででも行ける気がする。
……つーか、和樹、ハルに近寄りすぎだっつーの。
オレの剣呑な表情を見て、和樹はクスクス笑いながらハルから離れ、手を振った。
「じゃ、また宿で!」
「ああ、夜にな!」



