14年目の永遠の誓い


だけど本気で怒ってる訳じゃない、ただの冗談なのに、ハルが隣で申し訳なさそうな顔をして、口を挟んだ。



「ごめんね」



ハルの言葉と申し訳なさそうな表情に、ようやく人力車の理由を悟ったらしい。

和樹はしまったという顔をした。



「あー、なるほど。ハルちゃん、歩くの苦手だもんな」

「うん。……この坂はちょっとムリそう。人力車お願いしておいて良かった」

「だよな。うん、しっかり活用して。ムリすんなよ?」



和樹がハルの頭に手を伸ばし、髪に触れる前に、オレがぺしんとはたき落とした。

それを見て、ギャラリーは、



「幸田、おまえ、分かっててわざとやってるだろ」



と吹き出した。



「叶太も相手にすんなよ」

「なあ? 少しくらい触らせてくれたって、良いよな? 減るもんじゃなし」

「……減るし」

「え! 叶太の愛情が!?」



わざとらしく、和樹が大げさに驚いた顔をする。


「それは1ミリたりとも減らないからっ!」



オレが速攻言い返すと、ハルを除く全員が大笑い。



「も……やだ」



ハルだけがオレの背中にしがみついて、顔を隠した。



そう言えば……、と他3名のうちの1人が後ろを振り返り、指さした。



「牧村、この階段もかなりキツイけど、……大丈夫?」



指の先には、長い長い石造りの階段。

それに目をやり、ハルは眉根を潜めた。



「3階分、くらい……かなぁ? が、学校で1年の教室に行くと……思ったら、何とか」