「おはよう」
それから、身体を起こそうとするので、手を貸した。
「ありがとう」
にこりと笑うハルは、思っていたよりずっと元気そうで、オレはホッとして、ハルの頰におはようのキスを落とす。
そのまま、ハルをぎゅうっと抱きしめる。
うっとりと、ハルを堪能していると、後方からコホンと咳払いの音。
「あ」
忘れてた。
「朝から、見せつけてくれるわね〜」
里実さんは爽やかに笑い、里美さんの存在をすっかり忘れていたらしいハルは、真っ赤になってうつむいた。
オレは
「貸しませんよ? 帰ってから旦那さんと楽しんでください」
と言って、ハルを抱く腕に力を入れる。
里実さんは爆笑、ハルからは「カナのバカァ」という不名誉な言葉を頂戴した。
その後、ハルはオレと一緒に食堂に行き、一人別メニューで用意してもらった卵がゆを食べた。
思いの外、元気そうなハルに、志穂と斎藤はもとよりクラス全員が喜んだ。
出発前には誰が提案したのか、うちのクラスだけが旅館前で記念撮影。
カメラの中身を確認して、「この写真全員に送るから!」のクラス委員のかけ声で、ようやく解散。
担任の「気をつけろよ! 羽目外しすぎるなよ!」の言葉に見送られ、他のクラスから少し遅れて出発した。
少しなら羽目を外しても良いんだろうか、と思ったのはオレだけじゃないに違いない。
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