14年目の永遠の誓い

「ハル、……ハル、朝だよ」


初日の夜、夕食の後にハルの様子を見に来たけど、ハルは眠っていた。

ハルはオレが部屋を出た後、程なく眠りに落ち、そのまま朝まで眠っていたと言う。

大丈夫と思いつつも聞いてみると、夜の薬はもちろん起こして飲ませたとのこと。そりゃそうか。



「ハールー、朝だよ〜」



間もなく朝食の時間。
それが終わると、班での自由行動が開始される。

体調が悪いのなら、ここで休んでいれば良い。
朝食も部屋でおかゆか何かをもらえば良い。

だけど、ハルがこの自由行動を楽しみにしていたのを、オレは知っているから。
朝の薬も飲まなきゃいけないし、ハルを起こすべく声をかける。

里実さんがいるから、オレは必要ない? なんて後ろ向きなことは考えないことにしてる。



「ハル、おはよう」



数度声をかけて少しすると、ハルのまぶたがふるりと震え、ハルはぱちっと目を開けた。



「……カナ?」



ハルは不思議そうにオレを見て、それから辺りの景色を確認した。

病院でだったり、自室でだったり、寝起きにオレがいるのには、ハルは慣れている。

けど、旅館の一室という状況には一瞬、混乱したらしい。

ハルのじいちゃんちは、完全に伝統的な日本建築だけど、ハルが泊まる部屋だけは洋風にしつらえてある。もちろん、寝るのは布団ではなくベッド。


「おはよう。修学旅行2日目だよ」



オレが言うと、昨日のことを思い出したようで、ハルはふわっと笑顔を見せた。