14年目の永遠の誓い


乗車して10分足らずで、ハルの呼吸は乱れ始め、顔色は真っ青になった。

バスの座席はオレがハルの隣。里実さんは担任と並んで、一つ前の席。
オレは、ハルの介抱は慣れているからって、ハルの隣を譲らなかった。

ほどなく、オレに背中をさすられながら、ハルは胃の中身をすべて戻してしまった。

2時間、ほぼずっと吐き続け、旅館に着く頃には、戻すのは胃液ばかり。
自分の足でバスから降りられる状態ではなく、全員降りた後、ぐったりしたハルをオレが抱いて下ろした。

そのまま、大広間でのオリエンテーリングに向かうクラスメイトと別れて、里実さんと一緒に部屋に向かう。



「ごめ……ね」



オレの腕の中で、苦しげに目を閉じたまま、ハルがささやくように言った。



「ハルー、何も気にすることないから。早く揺れないところで休んで、楽になろうな?」



案内された白藤の間は里実さんの居室でもあり、こんな時にハルが泊まる部屋。同じフロアには全体の保健室のような、保健室の先生と同行の看護師さんの部屋もある。

中居さんの案内で客室の玄関、控えの間を抜けると、広々した和室が広がり、真ん中には既に布団が敷かれていた。

オレはそうっとハルを下ろす。

そこで、しばらく身体を硬くしていたハルが、ようやくふっと力を抜き、目を開けた。

涙に潤んだ大きな目が痛々しい。