元々、羽鳥先輩はハルと仲が良くて、そこに志穂がアタックして彼女の座を得たという関係。
ハルは先輩がハルを好きだったなんて知らない。だから、そこを気にしているとは思えないけど、彼女を差し置いてお土産を買うという行為はまずいと思ったらしい。
けど、志穂は笑い飛ばす。
「あはは。きっと、陽菜からの方が喜ぶと思う」
「……そう?」
ハルは意味が分からず、小首を傾げて不思議そうにした後、
「先輩も去年来てるし、自分で買ってるかな? じゃあ、わたしからでも良いかな」
と見当違いのことを返した。
受験間近の羽鳥先輩。
先輩はもしかして、本当にハルからもらう方が喜ぶかも知れない。
と思ったら、思わずしかめっ面になっていたらしい。
斎藤が、プッと吹き出した。
☆ ☆ ☆
初日の観光は、思いの外に順調だった。
けど、この日最後の2時間ちょっとのバス移動では、さすがに疲れが出たのか、このまま寝られますように……というオレの願い虚しく、ハルの顔色はどんどん悪くなっていった。



