14年目の永遠の誓い


オレはハルの耳元でささやいた。



「ねえ、ハルもこういう家に住みたい?」

「え? なんで?」

「いや、女の子はこういうのが好きなのかなーって」

「んー。今の家で十分満足してるよ」



ハルはふんわりほほ笑んだ。

言われてみると、ハルの家も相当にでかいし、石造りの洋館だ。敷地内のじいちゃんちは純日本建築のお屋敷だし日本庭園も池もある。



「ここ、ハルんちと雰囲気似てるよな?」

「……え? どこが?」

「和館と洋館両方建ってて、庭が広い」

「広さの規模が違うよ」



口元に手をあて、ハルは楽しげにクスクスと笑う。

ヤバイ。可愛い。

抱きしめたいけど、今、やったら怒るだろうなぁ。



「それに、こんなに広かったら、歩くの大変そう……」

「あー、確かに」



オレには広さは何の障害にもならないけど、ハルにこれは酷だろう。

ハルの家では、ハルの寝室は一階にある。明兄やおじさん、おばさんの寝室、書斎なんかは二階なのに。
平屋のじいちゃんの家でも、ハルのために用意されてる部屋は玄関に近い側。

明らかに、ハル仕様。身体に負担がないように考えられてる。



「……わたし、年に数える程しか、うちの2階に上がらないんだよ」



その発言に、思わず絶句。

確かに必要ないかも知れない。ハルの生活動線は1階ですべて完結するようにできている。



「あ、じゃあ、明兄がいる時だけ?」

「うん。お兄ちゃんがいる頃は、もう少し上がってたんだけどね」



ハルは長い廊下に目をやり、



「こんなに広くたって、行かない部屋ばっかじゃ仕方ないよね」


そんなことをつぶやいた。