14年目の永遠の誓い



到着までの約4時間をハルは完全に夢の中で過ごした。

オレと里美さんがおしゃべりする声にもまったく反応はなし。

だけど、バスへの乗り換えでは、さすがに寝たままという訳にも行かず、かなり強引に起こした。



「ごめんね、ハル。眠いよな」

「……ん」



目をこすりぼんやりするハルの脇を支えつつ、一番最後に降りる。
混み合ったホームでハルの手を引きながら2人分の荷物を運んでいると、



「持つよ」



と斎藤がオレたちの荷物を請け負ってくれた。



「ありがと」

「いや、牧村、大丈夫?」

「んー、どうだろ?」



不用意に大丈夫と言いにくい状態。

眠そうで会話にならないのももちろんだけど、顔色もあまり良くはない。
いくら強めの酔い止めを飲んだからって、ここまでなるか?

列の最後尾について、駅から外に出る。



「陽菜、大丈夫?」



ハルが半分目をつむったような状態だから、志穂もオレに聞いてきた。



「あー、んー」



オレが答えあぐねていると、話は耳に入っていたのか、隣のハルが小声で答えた。



「大丈夫だよぉ」



ハルは手で口元を隠しながら小さくあくびをした。



「ごめんね。……なんか…眠くて」

「いいよいいよ。ただでさえ移動距離長いんだもん。寝てたら良いよ~」



志穂がハルの背に手を置いて、ハルの顔を覗き込んだ。



「んー。しーちゃん、ありがとう。少し、目…覚めてきたー」

「無理しないでね? 具合悪かったら、遠慮しないで言うんだよ」

「ん」



ハルはふわっと笑顔を浮かべて志穂と斎藤を見た。