「ハルちゃん、相変わらずシャイだよね」
兄貴が可愛くて仕方がないという目でハルを見る。
てか、ハルはオレのだからね……と言わずとも、さすがに兄貴は知ってるか。
オレを見てニヤニヤ笑うんだもんな。からかうなよ。
「……カナが、人目を気にしなさすぎだと思うの」
ほんの少し唇を尖らせて、ハルが不満げに言う。
「いや、ハルちゃん、叶太は確かにストレートだけど、これくらい普通だと思うよ。なあ、明仁」
けど、明兄は
「いや、叶太はもっと慎み深くしとけ」
と一刀両断。
明兄のはただのシスコンだろ?
と思ったけど、口で勝てる気がしない。
言い返さずにいると、兄貴はプッと吹き出した。
そんなオレたちの様子をハルはニコニコしながら見守っていた。
ハルの向こう側では、大人は大人で楽しそうに盛り上がっている。
ハルの母さんが、
「この、青空の下、昼間っから酒飲んで……ってのが、独特の開放感なのよね~」
とグビグビとビールを煽ると、親父がそれに相づちを打ち、同じようにビールを空ける。
「今頃、会社でみんな働いていると思うと、申し訳なくなりますね~」
とか言いつつ、まったく申し訳なさそうではない。
毎年、この日は大人全員、何があっても休みを取る。
医者のおばさんさえ、代診に名医を呼んで、完全なバックアップ体制を取っていると聞いたことがある。
「響子さん、ホタテがそろそろ良さそうだから、もらって来ようか?」
と甲斐甲斐しく奥さんのために動くのは、ハルの父さん。
何歳になっても、人がいようがいまいが気にすることなく仲が良い夫婦だ。どちらかと言うと亭主関白気味な親父より、オレがお手本にしたいのはおじさんの方だ。
兄貴が可愛くて仕方がないという目でハルを見る。
てか、ハルはオレのだからね……と言わずとも、さすがに兄貴は知ってるか。
オレを見てニヤニヤ笑うんだもんな。からかうなよ。
「……カナが、人目を気にしなさすぎだと思うの」
ほんの少し唇を尖らせて、ハルが不満げに言う。
「いや、ハルちゃん、叶太は確かにストレートだけど、これくらい普通だと思うよ。なあ、明仁」
けど、明兄は
「いや、叶太はもっと慎み深くしとけ」
と一刀両断。
明兄のはただのシスコンだろ?
と思ったけど、口で勝てる気がしない。
言い返さずにいると、兄貴はプッと吹き出した。
そんなオレたちの様子をハルはニコニコしながら見守っていた。
ハルの向こう側では、大人は大人で楽しそうに盛り上がっている。
ハルの母さんが、
「この、青空の下、昼間っから酒飲んで……ってのが、独特の開放感なのよね~」
とグビグビとビールを煽ると、親父がそれに相づちを打ち、同じようにビールを空ける。
「今頃、会社でみんな働いていると思うと、申し訳なくなりますね~」
とか言いつつ、まったく申し訳なさそうではない。
毎年、この日は大人全員、何があっても休みを取る。
医者のおばさんさえ、代診に名医を呼んで、完全なバックアップ体制を取っていると聞いたことがある。
「響子さん、ホタテがそろそろ良さそうだから、もらって来ようか?」
と甲斐甲斐しく奥さんのために動くのは、ハルの父さん。
何歳になっても、人がいようがいまいが気にすることなく仲が良い夫婦だ。どちらかと言うと亭主関白気味な親父より、オレがお手本にしたいのはおじさんの方だ。



