「で、旦那さんは?」
「3日悩んで、逆にプロポーズし直してくれたわ。短いかも知れない結婚生活なら、早く始めようって。
って言っても、わたしが23、彼が25の年ね」
思ったより早い。
けど、里実さんも旦那さんも既に働いている年齢。2人とも大人だ。
……まあ、普通そうか。
「旦那さんとの出会いは?」
「小学校入学の年かな。親が家を建てて引っ越した先の、お向かいの家のお兄ちゃんだったの」
「幼なじみ!」
「そう。叶太くんたちと同じね。……わたしの話が参考になると良いけど」
「なるなる! ムチャクチャ参考になります!」
オレが勢い込んで言うと、里実さんはくすくす笑った。
「じゃあ、なんでも聞いてくれて良いわよ。参考になれたら光栄だわ。
ちなみに、今は子どもが欲しい、ムリだって押し問答中」
「子ども?」
「彼は育てられないかも知れない子を作りたくないって言うんだけどね、わたし、仮に彼が働けなくなっても、手に職あるから大丈夫だって言ってるんだけど」
「どうするの?」
語り口からして、諦める気がないのは間違いない。
オレは、タフで前向きな里実さんの人柄にかなり惹かれていた。
「そろそろ、強硬手段に出ようかと思って」
「強硬手段?」
「男の人の自然な欲望につけ込む予定」
「ええ!? それって……」
オレが赤くなると、里実さんはクスッと笑った。
「広瀬くんには、まだ刺激が強かったかしらね?」
はい。強かったです。
そして、旦那さんに、ちょっとだけ同情しました……というのは内緒。
里実さんはツボに入ったのか、随分と長い間、クスクスと笑い続けていた。
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