「明日は土曜日だし、何の問題もないよ」
オレは努めて優しく、ハルに告げる。
ハルにはきっと想像も難しいだろうけど、1日や2日の寝不足、体力が有り余る高校生には何の負担にもならない。
「ずっと側にいるから。安心して眠ればいい」
「カナも……寝なきゃ」
ハルは、それでもオレを気遣う。
「一晩くらい寝なくても……、ってか、オレはどこでも寝られるし、ハルはそんなこと気にしなくていいから」
あやすように言って、ハルの頬に手を置いた。
ハルは本当につらそうで、視線を動かすたびに、苦しげに眉をひそめる。
「ハル、オレのことは良いから、目つむって寝な?」
オレがそんなこと言いながら、ハルの背をさすっていると、ハルの手がふっと持ち上がり宙をさまよった。
オレはすぐさまハルの手を握る。
ハルは力なくオレの手を握り返すと、自分の方に引っ張った。
「ん? ハル?」
どうしたいの?
けど、ハルはもうかなり眠そうで、真っ当な答えは期待できない。
何も答えないまま、ハルは反対の手も出してきて、オレの腕に手を添えて引っ張ろうとした。
だけど、ただでさえ具合が悪いハルが、力でオレを動かすなんてムリなわけで、オレはハルの望みを叶えるべく、引かれるままにハルに身体を寄せた。
「ハル?」
再度、名を呼ぶと、ハルは潤んだ目でオレを見上げて、掛け布団を小さく持ち上げた。
「一緒…に、……寝よ?」
半分、眠りの世界に足を突っ込みながら、ささやくようにハルはそう言った。
「え!?」



