今日、オレに電話をもらえたのは、オレを頼りにしてくれたから……なら嬉しいけど、
それよりも、むしろ、よほど具合が悪かったか、もしくは1人で耐えるのが不安になったか……そんな理由な気がする。
何にしても、今、言及する話ではない。
これは、後でおばさんに報告すれば良い。
……ハルはきっと嫌がるだろうけど。
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オレの説明を聞き終えると、明兄は険しい顔をして一言、
「……お前の言いたいことは、分かった」
と言った。
「え?」
「認めたくはないけど、お前が考える通りだろうな」
明兄は何がどうとハッキリは言わず、悔しそうに拳を握りしめた。
「明兄、ちょっと待って。それって……」
「注意したからって、陽菜がそうそう夜中に人を呼ぶとは思えない。
だからって、毎晩、誰かに見張らせるわけにはいかない。それじゃあ、陽菜が落ち着いて眠れないだろう。
何より、どうしようもなく具合が悪い時には、ちゃんと誰かを呼んでいて、今回だって、お前を呼んでいる。
夕飯のことにしたって、何にしたって、確かに親父やお袋は、陽菜を一人にしすぎだ。それは……オレも同じだが」
明兄は悔しげに顔を歪めた。
「沙代さんは、陽菜を可愛がってくれているけど、食卓に一緒につくことはない。今更、その習慣を変えるのも変だろう」
それから、明兄は若干物騒な目つきでオレを睨んだ。
「お前の思い通りだ、叶太。
これじゃあ、賛成するしかないだろう?
投資は教えてやるし、稼げるところまでサポートしてやる」
「明兄! それじゃあ!」
「ああ……陽菜と結婚しろ」
明兄は大きなため息を吐いた。
それから、視線をオレに向けてぐっとにらみつけた。
「……全力で守れよ」
「もちろん!!」
オレはギュッと両手の拳を握りしめ、力強く頷いた。
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