14年目の永遠の誓い


それから、ふと気になって、おでこをくっつける。



「熱はないな」



その言葉に、ハルが固く瞑っていた目を開けた。
熱はないけど、その目は潤んでいて、変わらずシンドそうだった。

そして、気になっていたことを言ってみる。



「ハル、けっこう吐いただろ? 本当は点滴打ってもらった方がいいと思うんだけど」



きっと、水分を口から取らせようとしても、今はムリだから。



「……大丈夫」



ハルは小さな声で、ささやくように言った。



「でも、」

「朝まで……寝れば、大丈、夫……だから」



ハルの息が乱れる。
ハアハア言いながら話すのを見て、オレはムリにしゃべらなくて良いよって言おうとした。

けど、それを告げる前に、ハルがポロリと爆弾発言をした。



「これくらい……なら、割とある…から」



……え!?



オレが目を見開いたのに気づいて、ハルはしまったと言う顔をした。
それで、オレは分かってしまったんだ。

ハルが、夜中に具合が悪くなっても、誰も呼ばない日が多いだろうことに。

ハルは困ったようにオレの目を見ていたが、次第にぼんやりと焦点が合わなくなると、きゅっと目を閉じて身体を硬くした。

オレは慌てて、ハルの背に当てた手を動かした。

おじさんもおばさんも多忙だ。
夜くらい、家でくらい、ゆっくりさせてあげたいと、ハルなら考えてもおかしくない。
一日中家の仕事をしている沙代さんは、住み込みで働いてはいるけど家族ではない。
ハルなら、夜中まで付き合わせたくないと遠慮するだろう。