14年目の永遠の誓い


トイレにしては広いその部屋の、便器の前にハルを下ろそうとしたところで、とうとう限界を迎えたハルの背が大きく波打ち、ハルは戻した。



「うえぇ……げぇっ」



だけど、幸いあふれ出した吐瀉物は何とか、ハルが口元を押さえていたタオルまでで収まっていた。
オレはともかく、ハルのパジャマが汚れなかったのは幸いだ。
こんなに具合が悪いのに、着替えさせるとか、あまりしたくない。



「……ご、め…」

「気にしない」



ハルの口元からタオルを外させる。
それから、崩れ落ちそうなハルを後ろから支えて、便器の上に顔を出させた。

瞬間、ハルの背中がまた大きく波打った。



「げえぇっ」



勢いよく、ハルの胃液が飛び出した。

ついさっき戻したのには、まだ形があった。

けど、それもほんの少量。



「ハル……、オレが来る前にも、戻した?」

「……少、し」



ハルが苦しそうに、胃の辺りを押さえた。
とても少しには思えない。



「うえぇっ」



また胃液。

オレはハルの背を優しくさする。

ハルの呼吸が完全に上がっている。支えていなきゃ、きっと身体を起こしていられない。

それから数度、ハルは苦しげに胃液を戻した。
その後、粗い息の下、囁くように言った。



「…カ……ナ」

「ん?」

「よこ、なり…た……」

「まだ吐きそう?」

「も……だ、じょ…ぶ」

「よし、じゃ、ベッドに行こうな」



オレはコップに水をくんで口をゆすがせた後で、できる限り、そうっとハルを抱き上げた。