「……明兄?」
オレ、なんかおかしなこと言った?
夫が妻を養うのは当然だと思ってる。
ってか、夫婦ふたり共が健康であるなら、共稼ぎだって良いと思う。ハルの家なんて、おじさんの稼ぎだけで家族数十人軽く養えそうなのに、おばさんはバリバリ医者なんて仕事をしているし。
けど、ハルは心臓が悪い。
オレには、ハルを働かせるなんて、とても考えられない。
「結婚!?」
数泊遅れて、明兄は声を大にした。
……あ、そっち?
「うん、結婚。なんか、おかしなこと言った?」
オレがハル以外の相手と結婚を考える訳ないって、明兄だって知ってるよね?
「……いや。結婚ね。いずれは、そう、……あるかもな」
「え? いずれっていつだよ。オレ、18の誕生日に籍を入れるつもりなんだけど」
オレの言葉に、明兄はぽかんと口を開けて固まっている。
おーい。
端正な顔が台無しだぞ~。
「ちょっと待てっ!!」
「え? なに?」
「18で結婚って言ったか!?」
「うん」
「それ、来年じゃないか!」
「うん。……長いよね。待ちきれなくて」
「待て待て待て。お前、来年、まだ高校生だろ!」
「だね」
「いやいやいや。冷静に答えるな!!」
「明兄はちょっと落ち着こうよ」
「落ち着けるか、バカ!」
明兄は日頃の冷静さがすっかりなりを潜め、別人みたいになっていた。



