夜9時、わたしがいつも寝る時間。
今日は夜になってもカナがいる。
同じ部屋に、パジャマを着たカナがいる。
色違いのパジャマは晃太くんからの結婚祝い。
こんな風にカナのパジャマ姿を見るのは初めてなわけで……、何だかやたらと照れくさかった。
結局、うっかりワインを飲んでしまったせいで、わたしはまたしても寝込んでいるのだけど、今日はカナとずっと一緒にいられるのだと思うと、たまらなく嬉しかった。
「カナ」
「ん? どうした?」
「お誕生日おめでとう」
朝一番で言おうと思っていたのに、一日中慌ただしくて、気が付けば、すっかり言いそびれてしまっていた。
「え? ああ。ありがとう!」
カナは何を思い出したのか満面の笑みを浮かべて、わたしの頭をなでた。
おめでとうを言うと同時に、用意していたプレゼントを渡していないことも思い出す。
起き上がろうとすると、カナがそっと支えてくれた。
「どうした? トイレ行く?」
「ううん。あのね……プレゼントを渡し忘れてたから」
「プレゼント?」
「うん」
何にしようか、随分迷ってキーホルダーを選んだ。
わたしの家の……わたしたちの新居の鍵を付けてある。
それに、18になれば、カナはきっと車の免許も取ると思って。
「ホント? ありがとう! ハルと結婚できただけで、十分、今までの人生一番のプレゼントだったんだけど」



