気が付いたら、もう夕方だった。
レースのカーテン越しに夕焼けが差し込み、部屋を朱く染めていた。
一瞬、どこにいるのか分からなくなる。
自分の部屋じゃない、病室じゃない、おじいちゃんの家でもない。
……ああ、別荘だ。
「ハル、目、覚めた?」
ベッドサイドのカナの顔を見て、最初に言ったのは、
「……カナ……気持ち、悪い……」
なぜか、胸がむかむかして、気持ち悪くてしかたなかった。
「吐きそう?」
カナが慌てて聞いてくる。
けど、分からない。
いつもの不調とは違う。
「……頭……痛い」
なぜか、ズキンズキンと、頭も痛む。
「あーーー、ハル、それはいわゆる二日酔いだ」
「……お酒なんて、飲んでないのに、なんで?」
カナが微妙な顔をして、事の次第を教えてくれた。
おぼろげにしか覚えていない。
けど、変な味の葡萄ジュースを飲んだ後に、なんだか身体がふわふわして、おかしな事を言っていたような気がする。
穴があったら入りたくなった。
それからママが来て、水とビタミン剤を飲まされた。
もう一寝入りするように言われて、カナの手を握りながら眠り、夕飯の時間に起こされて、ゼリーを少し食べて、夜の薬を飲んだ。
その時にもまだ頭痛と吐き気は収まっていなくて、お風呂も諦めて、シャワーで軽く済ませた。



