カナの言葉に大きなどよめきが起きた。
「住むのだって、ハルの家だし」
「婿になるための修行って本当だったんか!!」
「叶太、マジで、すげー!」
興奮状態で叫ぶ男の子たち。
「え? ハルちゃんって、お兄さんいるよね?」
誰かの冷静な突っ込みに、カナも冷静に答えた。
「目に入れても痛くない愛娘でしょ? 嫁にはもらえなさそうだったから、婿にしてもらった」
その瞬間、どよめきが爆笑に替わった。
それからしばらくして、
「ハルちゃん、叶太、少し貸してね」
なんて言って、男の子たちがカナを連れていってしまった。
わたしがいる前では話しにくいのかな?
カナが行ってしまったから、わたしの隣は空いているのだけど、当然ながら誰もそこに座ろうとはしない。
誰かが入れ替わり立ち替わりやってくるけど、
何だかとても寂しくて……。
そんなところへ、お兄ちゃんと晃太くんが来てくれた。
「ハルちゃん、本当におめでとう」
「ありがとう」
「なんか、元気ない?」
「ううん。元気だよ」
笑顔を浮かべたつもりだったけど、うまく行かなかったのかな?
お兄ちゃんは眉をひそめて、
「叶太のヤツ、陽菜をほって、どこ行った?」
と、ぐるりと庭を見回した。
晃太くんも、「あの人垣の向こう?」とか遠くを見ながらつぶやいた。
……喉、乾いたなぁ。
そう思った瞬間、ソファの隣のテーブルに置かれた葡萄ジュースが目に入った。
お水の方が良いんだけど……と思いながら、とにかく何か飲みたくて、ごくごくっと一息に飲んだ。



