沙代さんは眩しそうにわたしを見て、それから、そっと抱きしめてくれた。
「本当に大きくなって。……あの小さかったお嬢さまが、こんな綺麗な花嫁さんになるなんて」
「……沙代さん……ありがとう」
沙代さんは、わたしが生まれる前、お兄ちゃんがまだウンと小さい時に家に来たという。
最初は通いで、わたしが生まれて自宅で過ごせるようになった時、住み込みになったと聞いた。
それから、ずっと……多分、ママよりも長く一緒にいた。
わたしは、沙代さんのご飯で育ったんだ。
「あらあら、本当に今日は泣き虫ですね」
沙代さんはポケットから出したハンカチで、わたしの目元をそっと押さえる。
「わたしはどこにも行きませんし、同じ家に帰るんですよ?」
沙代さんは愛おしげに、わたしの頰に手を触れた。
「そうそう。ハルの部屋に、オレが住むんだから」
カナがすかさず口を挟んだ。
「あ……そうだった」
そう言うと、二人はクスクス笑った。
「ハル、疲れたね? 一度、中に入ろうか。少し休憩しよう」
カナはスッとわたしの背中に手を回し、
「……え、カナっ!?」
気がつくと、カナに抱き上げられていた。
カシャカシャ……と、どこからともなく聞こえてくるシャッター音。
思わず赤くなり、カナの胸に顔を埋めて隠れてしまいたくなる。
けど、そんな子どもっぽい仕草は……と躊躇いもあって……。
けど、やっぱり恥ずかしくてたまらなくて……。
一体、どんな顔をすれば良いのか困っていると、カナとカメラマンさんが同時に吹き出した。
沙代さんも笑いながら、
「じゃあ、わたしは仕事に戻りますね」
と一足先に、家の中へと入っていった。
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