「おめでとうございます!」
忙しそうに立ち働く制服姿のスタッフたちが、一瞬手を止め、口々にお祝いを言ってくれる。
ホテルかどこかのケータリングサービスなのかな?
左右に配置された大きな長細いテーブルには、幾つもの銀色の蓋をした料理らしきものが、シャンパングラスやワイングラスが並び、色とりどりの華やかなカービングフルーツが飾られていた。
木々の間を縫うように配置された幾つもの丸テーブルには、オフホワイトのクロスにワインレッドのクロスが重ねられ、色とりどりの花が飾られている。
驚いてカナを見ると、カナはにこりと笑った。
「びっくりした? この後、ここでささやかな結婚披露パーティの予定」
わたしが驚いて言葉をなくしていると、カナは頬にキスを落とす。
人前でとか、そんな事を思う余裕もなかった。
「あれ? 怒らない? ……ハル? 大丈夫?」
わたしがあまりに呆然としているので、カナは逆に心配になったらしく、真顔になった。
「お嬢さま?」
沙代さんからも心配そうな声をかけられる。
……そうか、だから、沙代さん、お式に来られなかったんだ。
この準備をしてくれてたんだよね?
「……わたし、今日、朝から驚いてばかり」
目をつむり胸を押さえて深呼吸をすると、カナが本気で慌てて、わたしの肩を掴んで顔を覗き込んだ。
「大丈夫!?」
こくりと頷く。
「大丈夫」
笑顔を見せると、カナはホッとしたように息を吐いた。
「ごめん。ハルに負担かけたくなくて、内緒で進めちゃって……」



