「あらあら、泣くのは早いわよ、陽菜」
「……う、…ひっ……く」
ママがパパから受け取ったハンカチで、溢れ出した涙をぬぐってくれる。
「おめでとう、陽菜。叶太くんと幸せになりなさい」
わたしは泣きながら、こくんと小さく頷いた。
それから、涙が止まらないままにパパとママの方に顔を向ける。
「い……今まで、育て…てくれて、ありが…とう、ござい、まし…た」
ぺこりと頭を下げると、また涙が溢れ出して、パパが新しいハンカチを手に持たせてくれた。
「……幸せに、なりなさい」
パパの声もどこか潤んでいた。
だけど、パパは次の瞬間、元気に続けた。
「もし、叶太くんが浮気でもしようものなら、パパが追い出してやるからな?」
それを聞いて、ママがプッと吹き出した。
「そんなこと天地がひっくり返ったって、あるわけないじゃないの」
クスクス笑いながら、ママは後ろを振り返り、係の人に声をかけた。
「すみません。メイク、直していただけますか?」
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