14年目の永遠の誓い


それから、ママはソファに座るわたしの前で腰をかがめて、両手を取った。



「本当におめでとう、陽菜。まさか、こんなに早くお嫁に出すなんて、思ってもいなかったわ」



ママが言うと、パパが隣から、



「陽菜は嫁に出すんじゃない! 叶太くんが陽菜の婿に来るんだ!」



と主張した。



「やーね、同じことじゃないの」



パパはさすがに大人気ないと思ったのか、小声で



「全然違うだろう」



と呟いた。



わたしがクスクス笑うと、パパは照れくさそうにあごに手をやった。



控え室の窓からは青々と茂った木々が見え、木漏れ日が差し込む。

空は雲ひとつなく真夏の快晴。

だけど場所柄、うだるような暑さはなく、日陰に入れば過ごしやすい至って気持ちが良い気候。



パパはタキシードを、ママは留袖を、そして、わたしはウェディングドレスを身にまとう。

見下ろすと、少しの動きにも反応してふわりふわりと揺れる白いドレス。



ああ……本当に結婚するんだと思ったら、熱い何かが胸の内からふわあっと浮き上がってきて……。



なんて幸せなんだろうと、心の底から、色んな想いが溢れ出してきて……。



パパとママの子どもに生まれて、本当に良かったと……。

パパやママや、お兄ちゃんや、おばあちゃんやおじいちゃんや、広瀬家のみんなの顔が浮かんできて……。



それから、カナの笑顔が……。