「オレさ、明兄、じいちゃん、おじさんの、ハルを想う気持ちを利用したと思う」
……どういう意味?
「明兄が大学に入ってから、ハル、週の半分以上を一人で夕飯食べてるだろう?」
「……ん」
パパもママも平日はそもそも仕事で、わたしが夕飯を食べる7時前なんて、誰かがいる日の方が珍しい。
土日でもママは普通に仕事が入るし、パパも会食やら出張やらで家にいないことが多い。
「寂しくない?」
問われて、言葉に詰まった。
寂しくないと言ったらウソになる。カナはちゃんと、分かっていて聞いているから。
そんなワガママ言いたくない。
寂しいから一人にしないで……なんて、子どもみたいなこと、言いたくない。
おばあちゃんに話した通り、ちゃんと分かってる。
ママの仕事にはそれが必要なこと、
パパが忙しいことも、忙しい中でも、できる限りの努力をしてくれていることも、
お兄ちゃんが地元の大学を選ばなかった理由も、そうすることを随分と迷ったことも、
ちゃんと理解している。
だから、大丈夫だと思ってた。
……大丈夫じゃなきゃって思っていた。
だけど、寂しくないかって聞かれたら、心に浮かぶのは、大丈夫なんて言葉ではなくて……。
「ハル、……泣かないでいいから」
「……ひっ、……く」
カナはわたしをきゅっと抱きしめる。
そうして、またわたしの背中を大丈夫、大丈夫と言うようにトントンと優しく叩く。



