まるで小さな子どものようにしゃくりあげて泣いた。
子どもの頃まで遡っても、こんな風に泣いた記憶はない。
でも、恥ずかしいと思うような余裕もなく、わたしはカナの腕の中で涙を流し続けた。
息苦しい。
……泣くと、息が切れる。
「ハル、大丈夫?」
カナがあやすように背中をトントンと叩く。
こんなにも心が乱れていても、なぜか、カナの腕の中はやっぱり落ち着くんだ。
小さく頷くと、カナはそっと頭をなでてくれた。
カナは愛おしげに、ひたすらに優しく、わたしを抱きしめる。
「ごめんね、オレ、少しよこしまな話をしちゃったけど、
まず、オレは純粋にハルが好きで好きで仕方なくて、一緒にいたくて、
心身共に、む……結ばれたくて、結婚したかったってのは、いい?」
「……うっ、……、ん」
しゃくり上げながら、頷くと、カナはホッとしたように、「ありがとう」とわたしをそっと抱きしめた。
カナが、……そう、カナがわたし自身を求めてくれているのは、よく分かったから、
カナが、わたしに同情してプロポーズしてくれたとか、そんなことはまったくないって、分かったから、
お腹にあったもやもやと重いものが、ほんの少しだけ軽くなった。
「あのさ、オレ、どうやら手段を選ばず、目的に突っ走るところがあるみたいで……」
カナが困ったように、わたしの顔を覗き込んだ。
「……ハル、嫌いにならないでね?」
「……どう…して?」
どうして、そんなこと言うの?
そう聞きたいのに、息苦しくて、嗚咽が収まらなくて、すべてを言い切れない。
でも、カナはわたしの言いたいことを汲み取ってくれる。
分かってる、ムリにしゃべらなくて良いよと言いながら、わたしの背中をさする。



