田尻さんには話したことがあるじゃない、わたしの命の期限の話。
「普通に考えても、そもそも結婚生活とかできる身体じゃないんだよ、わたし」
走るどころか早歩きすらできない身体。
しょっちゅう体調を崩しては寝込むし、入院すら稀ではない。
どう考えても就職なんてできないし、それどころか、家事をするのすらわたしには重労働。
「だって、そうじゃなかったら、17歳で結婚なんて、親が許す?」
普通なら結婚なんて考えない年齢、
普通なら結婚なんて許されるはずがない年齢、
だけど、普通に結婚できる年までは生きられないかも知れない身体だから……。
「許さないだろうね」
田尻さんはキッパリと言い切った。
ああ、これが聞きたかったんだ。
聞いた途端、涙が堰を切ったようにあふれ出した。
「うわっ、ごめん! ちょっと、牧村さん、」
田尻さんは慌ててわたしの方にやってきた。
違う、大丈夫。
やっぱりそうだったんだって、分かって、わたし、嬉しかったから……。
みんなの笑顔が怖くて……。
無条件に与えられる許しが怖くて……。
カナから与えられる限りない愛が、どこか悲しくて……。
どうして、そんな風に思ってしまうのか、ずっと心が苦しくて……。
「牧村さん! ちょっと、本当に大丈夫!?」



