「なんで、できないの?」
再度問われる。
「わたし、まだ17歳だし、……高校生だし」
「それは、叶太くんも知ってるんじゃないの?」
そりゃ、同級生だもの、知らない訳がない。
「知っててプロポーズしたんでしょう? ……ああ、家族が反対してるとか? そりゃ、するよね」
田尻さんはうんうんと頷いた。
「ううん。……家族は、……結婚しても良いって」
わたしの言葉に、田尻さんは目を見開いた。
「……すごっ。マジ?」
なぜか、田尻さんの目が輝いた。
「うん。……カナが話してたみたい」
「プロポーズの前に?」
「うん」
「……さっすが、叶太くん」
ほうっとため息を吐いて、どこかうっとりと田尻さんは言った。
「何て言うか、スゴイ行動力だよね。牧村さん、愛されてるね~」
田尻さんはわたしの方を見て、にっこり笑った。
「……そう、かな?」
愛されている気はする。
……ううん、愛されているのは良く分かる。
だけど、なんか違う。
何かが違う気がしてならないんだ。
「プロポーズはどうやって?」
「……婚約指輪を、指にはめてくれて、それから、18の誕生日に……結婚して欲しいって」
言いながら、喉の奥に何かが詰まったような違和感を感じる。
どんどん言葉が……心が重くなっていく。



