小さな子と遊んだりするのは好きだ。
だけど、わたしが行く先は病院の小児病棟だから、元気いっぱいに走り回るような子はいない。と言うか、もしいたら叱られる。
きっと、わたしじゃ、そんな元気な子の相手はできないんだろうな。
6年生ともなると、絵本を読んでもらうような年でもないだろうし、男の子じゃ手芸にも興味がないよね。
キャッチボールとか、鬼ごっことかするのかな?
わたしにはムリだなぁ。
「牧村さん、お待たせ」
「あ、……ありがとう」
気が付くと、田尻さんが目の前にいて、テーブルに麦茶を置いてくれていた。
「何か考え事?」
「……えっと……ごめんね」
「別に謝ることじゃないでしょ。ってか、牧村さん、よくぼーっとしてるよね?」
田尻さんは面白そうにわたしを見た。
「そうかな?」
「そうだって。話してる最中に、どっか違う世界に行っちゃうし」
心当たりが存分にあり過ぎて反論できない。
「……ごめんね」
「だから、謝らなくて良いんだって」
田尻さんはまた笑う。
それから、
「あー、……わたしの言い方が悪いのか」
と田尻さんは頭をかいた。
「ぼーっとしてるんじゃなくてさ、牧村さん、わたしが聞いた事とか、どう答えようか一生懸命考えてくれてるんでしょ? それ、ちゃんと分かってるから、謝る必要ないんだよ」



