閑静な住宅街の一角にある田尻さんのお家は、とても素敵な輸入住宅だった。
ドキドキしながらインターホンを押すと、カメラでわたしの姿を確認したのか、田尻さんの声が聞こえ、ほどなくドアが開けられた。
「いらっしゃーい。入ってきて」
Tシャツにショートパンツの田尻さん。
私服が、とても新鮮だった。
「こんにちは。……あの、これお土産です」
玄関先で、沙代さんに用意してもらったお土産を渡す。
「ありがと! でも、なんで敬語?」
田尻さんは紙袋を受け取りつつ、クスクスと笑った。
「え? なんか、……緊張しちゃって」
そう言うと、更に面白そうに笑ってから、
「上がって上がって。今日、誰もいないから遠慮いらないよ」
と自らも、サンダルを脱いで玄関を上がった。
「お邪魔します」
と、わたしも靴を脱いで中に入る。
「こっち、来て。リビングで良いよね?」
「うん。わたしはどこでも」
案内されたリビングは二階まで吹き抜けになった広々した空間。
部屋の隅には暖炉まで置かれていた。
「素敵」
「ありがと。座って座って」
勧められてソファに座ると、田尻さんも向かい側に腰掛けた。
「誰かいるとうるさいから、二階のわたしの部屋のが良いんだけど、今日、弟の野球の試合でみんないないんだ」
「弟さんがいるの?」
「そう。小6、うるさいよ~」



