14年目の永遠の誓い


「ねえ、何を悩んでるの?」

「何を……って?」



言葉にならなかった。

去年までと違い、階段がないから、歩きながらでも、ゆっくりなら話せなくはない。

けど、言うべき言葉が見つからない。



ううん。

心の中にはあるのだけど、言葉にできなかった。



なんと答えようと思っている内に、いつの間にかうつむいて立ち止まっていたらしい。



「牧村さん、……大丈夫?」



と田尻さんに顔を覗き込まれて、慌てて顔を上げた。



「ご、ごめん」

「わたしは良いけどさ。……ってか、良くないんだ、本当はっ」



田尻さんは、はあーっと大きなため息を吐いた。



「……あの」

「ああ、牧村さんがどうこうじゃなくてさ、わたしの問題」



田尻さんの問題?



「だから、気にしないで良い……って言いたいんだけど、ダメなんだよね」

「……何が?」



わたし、何かやらかしちゃったかな?



「いや、わたしが気になるってだけ」

「気になる?」

「……牧村さんが元気ないと、なんか、すごい気になるのよ」



田尻さんは、「何言わせるのよ」と小声で呟き、明後日の方向を向いた。

心なしか、顔が赤く見える。



「えっと……」



心配してくれてる……んだよね?



田尻さんは、ふうっと一息吐くと、またわたしの方を見た。



「牧村さん、何か悩んでるでしょう?」