楽しげな空気の中、
「ってかさ、叶太くんは本当に料理できるの?」
今更ながらしーちゃんが聞くと、カナは驚くようなことを答えてくれた。
「できるって。オレ、今、料理修行中だし」
おおっとか、ええっと口々に驚きの声が出る。
わたしも思わず「え?」と小さな声をあげてしまった。そんな話、初耳だもの。
そして、カナが近寄ってきたと思った次の瞬間、突然背中からギュウッと抱きしめられた。
「カナ?」
見上げると、カナは得意げに爆弾発言。
「ハルの婿にふさわしい男になるべく、花婿修行の一環?」
その言葉に、わたしを除く全員が大歓声。
「さすが叶太くん! 根本的に発想が違うわ!」
「やだー、もうハルちゃん、愛されてるね~!」
「お前、ほんとブレないよな~」
あまりの騒ぎに、「なになに?」と聞きに来た隣の班の子に、みんなが口々にカナの発言を伝えて、
結局、気が付くとクラス中で大騒ぎになっていた。
何が起こったのか、事情徴収に来た先生までもが話を聞いて吹き出した。
カナの発言を言葉通りに受け取るような人は誰もいなかったけど、
わたしはその真意を知っている訳で……。
花婿修行でお料理って……。



