潮野くんは、傍観していた斎藤くんにも声をかけた。
「斎藤だって、料理なんてできねーよな?」
「いや? オレもハンバーグや豚汁くらいなら作れるけど?」
いかにも体育会系の斎藤くんのその言葉に、潮野くんは絶句、女の子たちがキャーッキャーッ大騒ぎ。
そうなんだ、斎藤くんもお料理できるんだ。
……わたしもほとんどできないもんなぁ。もしかして、今時は男子の方がお料理上手なのかな?
なんてボンヤリしてると、潮野くんはわたしに矛先を向けた。
「ハルちゃんは気にしないんだ。そうだよね。男は料理じゃないよね?」
それを見たりっちゃんが鋭く突っ込む。
「ハルちゃんちはお手伝いさんいるって」
確かに、うちのママはお料理しないけど……。
きっとそれって普通じゃないよ?
あ、違うか。わたしがお料理しない事のが問題なんだ。
そうだよね。
普通は、いつかは家を出ないといけなくて、もし結婚したのだったら、自分か結婚相手のどちらかがご飯を作らなきゃいけないんだよね……。
「潮野、料理の腕か経済力、どっちか必要だってよ」
別の男子が潮野くんの肩を抱いて、そんなことを言った。
……別に料理の腕でも経済力でもないと思うんだど。
わたしも、別にお料理が嫌いという訳でもない。
調理実習は楽しいし、作ったものを喜んで食べてもらえたら、純粋に嬉しいと思う。
けど、手芸みたいに疲れたら休憩して休み休み……って訳にはなかなかいいかなくて、お手伝いさんが2人もいるのに甘えて、家で何かしようと思った事はなかった。
なんて、わたしの内心を知る訳もなく、潮野くんは大げさに頭を抱えて見せた。
「マジかー!?」



