春の校外学習は、家から一時間くらいのところにある万博跡地か何かの大きな公園だった。
県内だし、その近所から通っている子もいるということもあってか、今回は現地集合。
電車にするか、車にするか散々迷って、カナと相談して、乗り換え駅までは車、そこからは電車にした。
電車の方が酔いにくいけど、乗り換え駅での移動距離が長いのがネックだった。
朝、酔い止めを飲んで、カナと一緒に乗り込んだのは、いつも通学に使っている車。
幸い乗り慣れた自分ちの車のおかげか、カナとおしゃべりしている内にうとうと……、気がついたらグッスリ眠ってしまっていた。
「ハル、着いたよ」
カナの声で目を開けると、車は駅ではなく、公園の広々したエントランスにいた。
「時間に余裕もあったし、ハル、よく寝てたから車で来ちゃった。ごめんね。電車が良かった?」
カナが、
「聞かずに決めちゃってごめんね」
と寝起きのわたしの頭をなでた。
「ううん。グッスリ眠れたおかげで、なんか身体が軽いよ」
笑顔で言うと、カナも嬉しそうに笑ってくれた。
本当に、過去すべての遠足の中でも身体の軽さは一、二を争うんじゃないかな?
少なくとも、乗り物に長く乗った後とは思えないくらいには、体調が良い。
きっと鬼門は観光バスなんだろうな、と思う。
いつも現地集合だったら良いのにな……と思うけど、高校3年生の今、校外学習という行事はもう最後かも知れない気もする。



