なんだ。知らないから言っただけか……。
と思ったのに、
「洋裁かな? 服を縫うの」
と答えると、
「へえ~。ハル、好きそうだね」
の一言で終了。
……被服でいいんだ。
「カナは取りたいのないの?」
「オレ? うーん。特にないな」
「……じゃあ、わたし、数学3と物理取ろうかな」
今度はさすがにカナも慌ててくれた。
「ハル!? なんで、わざわざそんなものを!?」
「面白そうでしょう?」
「……あーうー、……んーーー……ハル、責任持って教えてね?」
絶対イヤだと思うのに、カナがそんなことを言うものだから、思わずクスクス笑ってしまった。
結局、わたしが何をしようとカナは受け入れてくれる。
付き合っているんだから、選択授業で示し合わせて同じものを履修するのは、きっと普通なんだろうと思う。
今だって、友だち同士で何を取ろうかって話をしてる子もいるし、彼氏に相談しようなんて盛り上がってる子もいる。
わたしは何かにつけて、カナばかりに歩み寄ってもらっている。
……これじゃあダメだ。あまりに申し訳なさすぎる。
結婚はムリ。そこは歩み寄れない。
だけど、普通に恋人同士として、わたしだって少しはカナのためになにかしなきゃ……。
「カナが取りたいの、教えて?」
「いや、だから特に……」
「一緒に考えよう?」
「え?」
カナが戸惑ったように言った。
「二人ともが好きな授業を……一緒に選ぼう?」
カナは目をまん丸くしていた。
「……ハル!!」
気がつくと、カナに抱きしめられていた。
そして、当然のように、近くの席のクラスメイトたちに囃し立てられて、わたしは真っ赤になってカナを押し戻したのだった。
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