14年目の永遠の誓い



10時過ぎに、カナが来た。



いつもはカナを見ると、心がほんわか暖まる。

今日は逆に、お腹の中に渦巻く重くて暗い何かが、重苦しくて仕方がなかった。



「ハル、おはよう」



カナはいつものように、わたしの側に来て、わたしの顔を見て、嬉しそうに笑った。



「おはよう」



声が固くなるのを止められない。

カナを嫌いになったんじゃない。

そうじゃない。



だけど……。



「……ねえ、なんで、カナがわたしにプロポーズすること、……みんな知ってたの?」



気が付いたら、思わず口に出していた。



「え?」

「……パパもママも、わたしが望むなら、好きにしていいって言うの」



カナの顔を見ることができずに、うつむいて唇を噛み締めた。



「誰も……驚いてなかった」

「ハル」

「……知らなかったの、わたし……だけ?」

「え…と、それは……」



カナは答えない。

答えないのが、一番の答えって、本当にあるんだね。



そっか、わたし以外、みんな知ってたんだ。



「……ねえ、なんで、パパやママが、結婚していいって言うの?」



視線を上げて、カナを見る。



「わたし、まだ高校生だよ? なんで? どうして、わたしが何も言ってないのに、結婚なんて許してくれるの!?」



大きな声で一気に言うと、息が切れた。

まだ熱も下がっていない。体調が万全じゃないのを思い出す。

ハアハアと、自分の呼吸の音がうるさくて、耳をふさぎたくなった。