スッと席を立ったカナは、戻ってくると、わたしの目の前に果物のたくさん入ったカラフルなゼリーを置いた。
「ハル、ゼリーもらってきた」
「あ……ありがとう」
「ムリに肉食べなくて良いよ。ハルが草食なのは、みんな知ってるし」
カナはにっこり笑って、わたしの頭にポンと手を置いた。
わたしの目の前にあったお肉は、カナのお腹に消えていった。
「陽菜、悪かったな。聞かずに取って。気にしなくて良いから。
叶太の言う通りだ。陽菜が肉が得意じゃないのは、みんな知ってる」
お兄ちゃんが困ったような顔でわたしを見た。
ごめんね。わたしの方こそ申し訳なくなる。
なんて言えば良いんだろうと思っていると、晃太くんが明るい声で言った。
「そうそう。ハルちゃん、気にせず、好きなモン食べれば良いんだから。
オレは、誕生日くらい、自分が好きなものだけ食べて良いと思うよ?
オレ、子どもの時に、本気でそう思っててさ、お袋にネゴって、ひとりでホールケーキ2つ食べたよ」
「え? ホールケーキ2つ!?」
思いもかけない言葉と晃太くんが広げた手の大きさに、思わず晃太くんの顔をマジマジと見てしまった。
直径20~30センチくらい?
そんなサイズのケーキを丸ごと2つも食べたの?
……冗談だよね?
「そう。小3だったかな? ……で、食い過ぎて気持ち悪くなって、ケーキが苦手になったね」
晃太くんの言葉に、お兄ちゃんがぷっと吹き出した。



