堺人の家に到着した。

「ここが僕の家だよ。家には一応部隊があって、ここが本拠地になってる。」
「部隊って昔の戦争で1つの国を滅ぼすほどの戦力をもった、月島特殊部隊?」
「ああ。今は父上が代理隊長している。」

昔は世界で戦争が絶えず海に囲まれた島国である光国は2つの国があった。1つが光国もう1つは影国(えいこく)と言い、同盟を組んで海を超えてカーシャ国に目をつけた。
しかし、他の国も襲ってくるため、光国は防戦一方だった。影国のある特殊部隊をカーシャ国に送ったのだがわずか1ヶ月たらずでカーシャ国を滅ぼしたのだ。その部隊が月島特殊部隊だった。

「へー月島家って影国だったんだ。」
「ああ、そうだよ。」

アーミャがすごいと言った。

「でも、そんな強い人達が影国にいるのに光国になったの?」

1番気になるのはここだ。普通、強い者がいる方が国になると思うからだ。

「影国は危険視されるようになってね。国は他と比べて小さいから襲われやすいんだ。だから光国の一部になったんだ。光国は影国の5倍ぐらいの面積も人口もあるわけだからね」
「へー」

昔の歴史を学んだところで、燐たちは堺人の家に入った。

「お帰りなさいませ」

扉の前にはメイドと執事がそろっていた。
さすが貴族だ。

「僕はあまりこういうの好きじゃないんだけどな。」

堺人は苦笑した。確かに堺人はこういうのは好まない。

「隊長室でお待ちになっておられます。お連れ様も御一緒に。」
「分かった。すぐに行く。」

そういって、執事が一歩前を歩くそれについていく燐たち。中はとても高級な物ばかりだ。

   コン コン

執事がノックをすると中から『どうぞ』と声が聞こえた。

「失礼します。ただいま帰りました。」

堺人が入ってカイン、アーミャ、燐、柳、紅葉の順でそれぞれ『失礼します』と隊長室に入る。